兄の想いと弟の想い 
rd20151101_02.jpg
(※クリックで原寸大)

ちみっこ朱羅さんはこんな感じで大好きなお兄ちゃんの傍をちょこちょこぴょこぴょこしてました。

このぐらいの歳の頃は朱莉姉様の監視(…)もそこまで厳しくなかったので、
2人で一緒にいられる時間は少なくありませんでした。
朱鷺兄からしてみれば小さな弟を『護る』という意識で接していたと思うのですが、
実際は朱鷺兄の方が朱羅さんに大分救われていたと思います
(このことについても朱鷺兄自身が後々気が付くのですが)。

本当に幼い頃は朱羅さんも年相応の子だったのですが、自立心や責任感が芽生えるのは
他の同年代の子達より早く、周囲も朱羅さんより大人の人達ばかりの環境で育ったので余計に
朱羅さんは早い時期から年不相応の子に成長していきます。
次期当主としての責任感が強い一方で、朱羅さんの中では"劣等種"として見られている
朱鷺兄の素晴らしいところや能力の高さを周囲に認めさせたい。―という想いもとても強かったのです。
そういう意味で、朱羅さんは自分が褒められることで、認められることで
朱鷺兄が1番に認めて欲しいと想っている朱莉姉様に、大好きで尊敬している朱鷺兄も一緒に
認めてもらおうとしていたのだと思います。

― こんなに勉強も武道も出来るのは色々教えてくれる朱鷺兄がいるから。
― 朱鷺兄も本当は頭もいいし知識も豊富だし優しくて強い人。
― それをどうして皆は認めてくれないの?
― 見ようとすらしてくれないの?
そんな思いでいた幼少朱羅さんはとてもとても悔しい想いを静かに、
でも根強くその純粋な心に宿していました。純粋故にとてもとても強い想い。
結果的にそんな朱羅さんの想いや言動は裏目に出てしまい、朱鷺兄の劣等感や嫉妬心を
増幅させてしまうことになるのですが…。

― 朱羅には俺がいなきゃ駄目なんだ。俺が傍にいてやらないと。
そんな想いからいつしか
― 本当は、俺の方が朱羅がいないと駄目なんじゃないのか…?
そんな疑問が朱鷺兄の中で生まれ、膨れ上がっていく訳です。
そんな時に弟が自分を周囲に認めてもらおうという想いで頑張っているのだと知った朱鷺兄は、
こんな小さなこどもよりあらゆる面で劣っている上に、その存在に縋っている自分を
認識するようになります。