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[ レトロ ] 自覚せぬ欲望 
追記にて、朱鷺朱羅(幼少期)の読み物です。
兄弟間の軽い絡みがあるので苦手な方はご注意を...



かつて渡り歩いた大陸全てを領土として支配していた種族がいた。
その種族の名は『キリス種族』。
銀髪と紅色の瞳が特徴であるその種族は、戦闘能力や身体能力は勿論、環境への適応能力や学習能力(特に武器や戦略等)が高く、国が自国領土を護ろうと全勢力を上げて抗戦したとしても、ほぼ意味を成さなかった。

そしてもうひとつ、キリス種族がその勢力を伸ばした要因は戦闘能力の高さだけではなかった。
彼等は繁殖能力さえも向上させ、より強い者の遺伝子を持った者達を産み、育て、その勢力を誇示していたのだ。



【 自覚せぬ欲望 】



御堂家の当主である朱莉は昨日から仕事の為、屋敷を空けていた。
幼いながらも次期当主として自覚を持つ朱莉の弟―朱羅は姉が不在の中でもきちんとスケジュールを組み、勉学や体の鍛錬に勤しんでいた。
もう1人の弟であり朱羅の兄である朱鷺は、屋敷をぷらぷらうろついたり昼寝をしたり、怠惰な時間を送っていた。
「朱鷺兄。この本で分からないことがあって…」
自室で勉強中だった朱羅は、読んでいた本の中にいくつか分からない文章を見付け、その答えのヒントを貰おうと朱鷺の部屋を訪れた。
本来であれば辞書等を使って調べれば朱羅1人でも分かる内容ではあったが、自発的な行動とは言え、広い屋敷の中、1人で部屋に篭って勉強をしていると人が恋しくなってしまうのだ。
それに、朱羅は兄である朱鷺を慕い、懐いている為、"分からない部分を教えて欲しい"というのは、兄が恋しくなってしまった為の口実の意味合いの方が強かったのだ。
「朱鷺兄?入りますよ…?」
きちんとノックをして静かに兄の部屋のドアを開けた朱羅だったが、中から返答はなかった。
もしかして部屋にはいないのかと思い、確認の為、朱羅は室内に入った。
「…あ…」
ドアを静かに閉め、室内を軽く見渡すと、朱鷺はソファーの上で昼寝をしているのだろう。彼の脚が覗いて見えた。
「朱鷺兄………?」
再確認の為、声量を抑えて兄を呼びながら、朱羅は足を進めてソファーで寝転んでいるであろう兄を正面に捉える。
「…やっぱりお昼寝中…」
朱羅がソファーを回り込んで兄の様子を確認すると、やはり朱鷺は後頭部で両手を組み、仰向けになって眠っていた。
「………」
せっかく兄と会話をしたくてやって来た朱羅だったが、それが叶わないと分かって少々残念そうな表情を見せたが、直ぐにふっと微笑み、朱羅は兄の近くで膝を折り、兄の寝顔を堪能し始める。
「そう言えば朱鷺兄の眠ってるところ、見たことなかったかも…」
そう呟きながら、興味津々と言った表情で兄の寝顔を見下ろす朱羅。
ただ何をするでもなく、黙って数分間そのまま眺めていた朱羅だったが、せっかく来たのだから、兄が起きるまで此処で勉強させてもらおうと考え、兄に背を向けてソファーの下部に背中を預けた形で体育座りをし、持って来ていた本を再び読み始めた。
「―って、何もしねーのかよ」
「っ!」
本を読み始めて数秒後、突然後ろから頭をくしゃりと撫でられた朱羅は驚いた表情で後ろを振り向く。
「俺はてっきり可愛い弟がおでこかほっぺにちゅー、でもしてくれるのかと思ってたんだが」
「朱鷺兄…狸寝入りですか?」
兄の方を向いた朱羅は、再び兄の大きな手で頭を撫でられることが嬉しくてにこりと微笑みながら、しかし困ったようにも微笑みながら答える。
「それにしても…」
朱鷺は頭を撫でるのを止め、体をソファーの上で横にした状態で頬杖を付きながら朱羅が持って来ていた本に視線を移し、続ける。
「お前はホントに馬鹿真面目だな。まだ子供だっつーのに」
「真面目と言うか……確かに当主になる為に勉強をしている部分もありますが、でも楽しいですよ?お勉強」
「…お前、ホントに俺の弟か?」
信じられないと言いたげな表情で朱鷺は苦笑しながら朱羅を見る。
「で?何の用なんだ?」
「あ…!あの、この本で分からないところがあって、朱鷺兄に教えて頂きたくて…!」
パァッと表情を輝かせ、手元にあった本を取り、兄に見せながら答える朱羅。
「お前でも分からないのに俺で分かるかねぇ」
苦笑しながら朱鷺は上体を起こし、ソファーにきちんと腰を下ろした体制になるとぽんぽんと自分の膝を叩き、朱羅を誘う。
「ふふっ」
兄が自分の所に呼んでくれたことが嬉しく、朱羅はにっこり微笑みながら駆け寄り、兄の膝の上にそっと腰を下ろす。
そして、朱鷺は朱羅の細い腰に片腕を回し、本を広げる朱羅を見る。
「…で?」
「えっと……ちょっと待って下さいね……!」
本はハードカバーで分厚く、小さな朱羅には本を立てて頁を捲るのにも苦労する為、朱羅はわたわたしながら該当の頁を探し始める。
朱鷺は朱羅の腰に回した手で器用に本を支え、朱羅をフォローしながら弟の体温に安堵感を覚え、心地良いひと時を堪能していた。
そうしているうちにふわりと優しく甘い香りが朱鷺の鼻をそっと刺激する。どうやら朱羅の髪から発せられている香りのようで、朱鷺は惹き寄せられるままに朱羅の髪の匂いを嗅ぐ。
そのまま髪のいい香りを堪能していると、今度は朱羅の白い首筋が妙に気になった。甘い香りに思考も朧げになってきているように感じていた朱鷺だったが、その状態でいることが自然なことのように感じていた為、自分を抑制することなくそのまま朱羅の首筋に口付けた。
「―っ!」
突然、首筋を背後の兄に口付けられた朱羅はビクッと体を反応させ、本を持っていた手を離してしまう。すると朱鷺も本を支えていた手を離した為、ドサッと重量のある本が床に落ちる音が響いた。
―と同時に、朱鷺は後ろから朱羅を抱きこむように2本の腕でぎゅっと彼の身体を抱え込む。
「とっ……朱鷺、兄っ…………!」
朱羅は混乱していた。
兄である朱鷺は美味しいものを味わうかのように何度も自分の首筋を舐め、口付け続けている。そうしていると兄の息が耳にかかり、朱羅の身体は大きく震えた。
「…何だ朱羅………。お前はココがイイのか……?」
妖艶で甘く、頭がくらくらしてしまうような兄の囁きに、朱羅は無言のままではあったがゾクゾクと身体を震わせた。
「ふぁっ……!」
彼の問いに答えずにいると突然耳を甘噛みされ、そのまま舌を耳の中に浸入させられた朱羅の口から甘い声が響いた。
「……お前………本当に可愛いな……朱羅………」
朱鷺は朱羅が愛らしい反応を見せる耳を執拗に責めながらそう囁くと、朱羅の顎に手を沿え、自分の方に顔を向けさせる。
「…今のお前の顔……すっげーエロい…」
「はっ………はぁ………」
生理的な涙が朱羅の菫色の瞳をより美しく彩らせていた為、その美しい鉱石のような瞳に、朱鷺は目を細める。
「…なぁ、朱羅………」
「ぁ、……」
朱鷺はそのまま朱羅をソファーの上に押し倒し、朱羅の上に覆い被さるような体勢をとる。
ソファーの上で横にされ、両手を片手で纏め上げられた朱羅には抵抗が出来なかった。元々長身で着痩せはするがしなやかな筋肉を持つ兄に対し、小さく華奢な自分が示す抵抗に意味はないとは分かっていたが、更にその術を奪われてしまうと、朱羅も不安感を覚えてしまう。
―が、朱羅が不安を感じている元凶は兄のその行動ではなく、普段は自分と同じか少々赤味を帯びた菫色の兄の瞳が、今は真っ赤に染まり切っていたことにあった。
「……お前さ……」
愛らしく扇情的に映る弟を恍惚の表情で見下ろす兄は、彼の肩に深く口付け、帯に手を掛ける…

―が…

「朱鷺兄!」
「―っ…!」

普段、穏やかな朱羅からは決して発せられない程の声量を持った声が、朱鷺の耳をキンと貫く。
「………朱羅………?」
「朱鷺兄っ………」
兄の瞳の色に菫色が戻り、彼から発せられる雰囲気も朱羅が普段から感じ、慕っている心地良いものに変わった為、朱羅は胸をそっと撫で下ろした。
「―って…!」
自分が朱羅を押し倒しているこの状況に加え、朱羅の首筋や肩に残った鬱血跡が直ぐ目に入った朱鷺は自分の置かれた現状に異常を感じ、直ぐにソファーから降り、距離を取った。
「…朱鷺兄…」
朱羅は自分に甘く囁いていた兄が"もう1人の兄"だと本能的に察し、受け入れた為、動揺する兄とは異なり落ち着いた状態で上体を起こし、乱れた衣類を直す。
「………俺、お前に何をしてたんだ……?」
朱鷺は眉を顰め、自分の手を見つめた後、ゆっくりと顔を上げ、朱羅を見つめながら問う。
「ちょっと、じゃらけていただけです」
朱羅はにこりと優しく微笑む。
「…あんな状態で"じゃらけていただけ"なんてことはねーだろ…。お前に首筋や肩に残ってるのも、俺が付けたキスマークだろ…」
朱鷺は自嘲とも取れる笑みで朱羅の答えに反論すると、彼に背を向けた。
「朱鷺兄、あのっ―」
「すぐに出て行け」
低い兄の声が自分を拒絶する言葉を述べる。
「朱鷺兄……!」
「さっさと出てけ!!」
「―っ…!」
兄の怒鳴り声に朱羅は肩を揺らすと少しの間黙って俯いていたが、すぐに何も言わぬまま、兄の部屋を後にした。
「………俺………」
朱鷺は1人になると両手を見下ろし、声を少し震わせながら言葉を吐き出した。



「……アイツが欲しいと…考えてた………」



... END ...



* * *



以前からお話していますが...

キリス種族は性欲の強さも特徴のひとつで、強い子孫を残す為なら例え血の繋がった
親子やきょうだいであっても、子供を産むことを禁忌とはしていない種族でした。

そして、子孫繁栄とは別ですが、同性同士の性行為も互いの血等のやり取りを同時に行うことで
自分の能力を上昇させることも出来る為、決戦前夜等は異性・同性問わず性行為を行って
士気や能力を上げることも珍しくありませんでした。

今ではその血を宿す者が皆無に近い為、年頃の朱鷺兄が同性であり実弟にある朱羅さんに
性的興奮を覚えるのも、キリス種族として見れば可笑しなことではなかったりします。
本当は朱莉姉と性行為が出来れば…とどこかで思っている朱鷺兄ですが、彼女は憧れの存在過ぎて
手が出せないと言う……。大人朱鷺兄と比べると、そういうところで少年朱鷺兄は可愛いなと…。
(でも弟を襲っちゃうんですけれd)

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