朱羅さんの過去と未来 
キリス化朱羅さん
― 御堂朱鷺を殺すのは この俺です ―

朱鷺兄の目的は朱羅さんのプライドも自我も何もかもズタズタにした後、殺すことにあるのですが、
更に詳しく言えば『キリスの血に飲み込まれた朱羅さんを生きたまま喰い殺すこと』が目的だったりします。
兄の目的には気付いている朱羅さんなので、自分の内に眠る血に飢えた獣を押さえ込もうとはしますが、
戦闘の場に身を置けば置く程キリスの血というものは覚醒し、疼き、滾り、活性化してく性質があるので、
朱羅さんも次第にキリス化していきます。

そんな訳で、同じ血を宿す実の兄との戦闘等を繰り返していく中、制御が次第に効かなくなって行く為、
人間としての朱羅さんとキリスとしての朱羅さんとの戦いも同時展開して行く形になります。
個人的に、朱鷺兄との戦いも好きなのですが、ドッペル好きな一之瀬としては
キリス朱羅さんと人間朱羅さんとの戦いも好みだったりします。

最大のトラウマであり敵である朱鷺兄との他に、自分との戦いも同時に行わなければならない朱羅さん。
おまけに、朱羅さんと共にERASEに連れてこられたいっきは少々病み始めており、
朱羅さんに対する依存も始まっているので、この時期が朱羅さんにとって1番辛い時期だと思います。
当時の朱羅さんの唯一心の拠り所となれる筈だったいっきが支えになり切れていなかった為、
この頃から既に朱羅さんの中で様々なものが崩れ掛けていたのだと思います。
それでも朱莉姉様や朱鷺兄のように完全に精神崩壊を免れたのは、
皮肉にも、苦しく辛い幼少期の生活環境によって鍛えられ続けた
朱羅さんの強靭な精神力あってこそだったのだと思います。

そして朱羅さんは、そう遠くはない未来必ず崩壊するERASEに身を置くとーやんやフロ君達を始めとした
教え子達や部下達を1人でも多く生き延びさせることを考えつつ、例え独りになってしまったとしても
生きていけるような強い人間になれるよう鍛えることを第一に考えていたのだろうと思います。
自分のように心が壊れぬように。
自分を見失うことなく自分の人生を歩み続けられるように。

あまり言葉にはしない朱羅さんですし、誤解されても自分で誤解を解こうとはしない朱羅さん。
そんな朱羅さんを、始めの頃は苦手としていたとーやん。
とある事件をきっかけに、その溝は更に深まってしまい、
一時期とーやんは朱羅さんを心から嫌悪していた時期もありました。
でも、自分自身が"大人"になり、教え子や部下を持つという責任ある立場になっていく中で、
朱羅さんの考え方を感じ取り、理解出来る様になっていきます。
そして、難しい立場にありつつも自分の信念を持ち、それを貫き、
仲間や部下、若い訓練生達を護っている朱羅さんのことを、心から尊敬出来るようになっていくとーやん。
そして気が付けば、朱羅さんととーやんの間にあった溝も、綺麗に消え去っていたのでした。

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